きょうの合唱練習風景(11/29)
今日の練習は定演のオープニング曲「耳をすませば」から。
突然ですが、最近耳をすましたことはありますか?
言うまでもなく、耳をすまして、と言ったら
よく聞こうと集中して聞くことですが、
普段の生活では、なかなかそんな場面はないのではないでしょうか。
私の勤める保育園からはJRの線路が見えます。
樹木の間からちらりと見えるだけなので、
園児には走ってくる電車の姿は見えません。
でも、窓のそばで遊んでいると、
まだおしゃべり出来ない1歳の子が
「あーあー」と指をさし、
電車が来たことを教えてくれることがよくあります。
この子は今、一生懸命耳をすまして聞いてたんだなぁと思う瞬間です。
大人にとっては、聞き逃してしまうような日常の音ですが
小さい子どもにとっては、「聞こえたよ」と知らせたい音であり
そこで大人が「電車が来たね」と答えることで
あれは電車の走る音、と覚え、自分の中で確認していくのだ、と思ったら、
ゴー、という電車の音も何か特別なものに聞こえてきました。
聞きたくなくても耳に入ってくる音もあれば
もっと聞かせて欲しいという気持になる心地よい音もある。
生活の中の音のほとんどは大人にとっては意識せずに聞いている音ですが、
真剣に耳を傾けたり、じっと耳をすまして音を感じてみることは大切です。
そして小さい子どもたちのまわりは
特に美しい音や嬉しい気持ちになる音であふれていたら良いなぁと思います。
今度の演奏会も、いつものようにオープニングは
「耳をすませば」を選びました。
言葉の流れはあくまでも自然にしつつ、
想いがしっかりと伝わる歌い方…語りかけるような音楽を心がけて。
練習はあと2回。
演奏会が楽しみです。
(文:田中尚美先生)